クランベリー由来A型プロアントシアニジン(PAC)による尿路感染症改善作用

クランベリーについて

クランベリー(Cranberry)は、主にアメリカ北部の沼地に自生しているツツジ科の植物です。天然の明るい色素をもち、新鮮な酸味と硬い質感が特徴です。古くからネイティブアメリカンの間では、食料や染料、民間薬として利用されてきました。欧米では年間を通して、ジュースやゼリー、ドライフルーツなどの製品に加工されるとてもポピュラーな果物です。

クランベリーは豊富なビタミンCやポリフェノールを含み、美容効果や抗酸化作用が知られていますが、近年特に注目される機能性として、細菌付着防止作用が挙げられます。

細菌付着防止作用とは、主に膀胱炎などの尿路感染症の原因となる細菌が付着するのを防いで体外へ排出する働きのことで、その作用を担っているのが、ポリフェノールの一種であるプロアントシアニジン(PAC)です。

プロアントシアニジン(PAC)について

プロアントシアニジン(PAC)は、植物自体が内部や外部の環境から身を守ったり適応するために作り出す植物栄養素で、高い収斂味(渋味)を持ち動物や昆虫などから果実を保護する役割を担っています。プロアントシアニジンはリンゴ、ブドウ、プルーン、ピーナッツ、コーヒー、紅茶、ココアや他の多くの果物に含まれており、我々は食事を通してこれらの有用な植物成分を身体に取り入れています。プロアントシアニジンは抗酸化作用や抗炎症作用があり、私たちは毎日の食生活からその恩恵を受け取っています。

クランベリー特有のA型プロアントシアニジン

プロアントシアニジンには、多様な構造と特性があり、様々な生理活性を持っています。その結合様式の違いから、主に二重結合A型と一重結合B型に大別されます(図1)。クランベリーにはA型のプロアントシアニジン(PAC)を含むという点が特徴ですが、このA型PACのみ細菌付着防止能を持ち、尿路の健康促進作用があることが実証されています。

リンゴ、ブドウ、プルーン等、他のほとんどの果物に含まれているプロアントシアニジンはB型のものですが、この能力は見られません。A型PACが膀胱壁に細菌が付着するのを防ぎ、細菌を尿とともに排出することができます。

▲図1▲ ※A型プロアントシアニジンはクランベリー特有の成分です

尿路感染症に対する作用機序について

クランベリーのA型プロアントシアニジンは、細菌の絨毛をガードし、膀胱や尿路の壁に付着しないように働きかけます(図2)。細菌が付着するのを防ぎ、体外へ排出することで、感染症を予防します。

▲図2▲

この付着防止作用は、BL-DMAC法によって測定された36mgのA型プロアントシアニジンを毎日の用量として摂取することで可能となることが、AFSSA(フランス食品衛生安全庁)によって確認されています。飲用から2~3時間後にはその働きがスタートし、細菌の活動が停止され、無毒化されます。

加えて、クランベリーエキスに含まれる糖分のD-マンノースの作用により、大腸菌を殺菌するのではなく、膀胱内膜の壁をガードして大腸菌が繁殖し難い状態を作るので、抗生物質で大腸菌を殺菌することによる、腸内環境への弊害などの2次被害も招くことがありません。もちろん再発の予防にも有効です。

BL-DMAC法について

BL-DMAC法は、クランベリーエキスに含まれるPACの量を正確に測る方法としてフランス当局により唯一認められている計測法です。

※BL-DMAC法以外のHPLC(高速液体クロマトグラフィー)、European Pharmacopoeia法、ベイト・スミス法の分析方法で計測した結果、PAC含有量の数値が高くなる傾向が見られています。つまり、DMAC法以外の方法で定量されたPACは36mgと記載があっても、DMAC法で分析した場合、36mgに満たない可能性があります。

ワンポイント解説

尿路感染症とは

尿路感染症(UTI)は、腎臓から尿管、膀胱を通って尿道口にいたる経路に、細菌などの病原体が付着・増殖して炎症がおこる病気です。尿路感染症の多くは、尿道口から侵入した細菌が尿路をさかのぼって感染、炎症を起こす「上行性感染」によるものです。とくに女性は尿道が短いため、尿路感染症にかかりやすいといわれています。主な尿路感染症には「腎盂腎炎(じんうじんえん)」、「膀胱炎」、「尿道炎」があります。

尿路感染症の治療には、主に抗生物質が使われますが、腸内細菌バランスが崩れることによる副作用や、妊婦の場合は胎児への悪影響等の報告例も少なくないため、欧米の医療機関ではクランベリージュースの飲用を推奨しています。

尿路感染症の症状
  • 排尿中の灼熱感
  • 頻発する少量排尿(頻尿)
  • 濁った尿や血尿
尿路感染症に罹りやすい対象
  • 一般的に女性、特に活発な性生活または妊娠している人
  • 高齢者
  • 車いすの患者
  • カテーテルを留置している人
  • 子供(3か月から5歳までの子供の再発は5%に及ぶ)
  • 糖尿病患者
  • 50歳を過ぎた男性
  • 放射線治療による骨盤への照射を受けた男女

膀胱炎について

膀胱炎は、多くの女性が経験する病気で、女性の5人に1人は生涯で一度は経験するとも言われています。働く女性や更年期の女性に多いのが特徴で、尿をためる臓器である「膀胱」の粘膜に炎症が起こる病気で、そのほとんどが大腸菌性の膀胱炎です。トイレを我慢したり、冷えやストレスを溜めることで悪化することがあります。放っておくと、辛い痛みや血尿、さらには、高熱の原因となる腎盂腎炎を引き起こす可能性があります。一度発症すると、何回も繰り返すこともあり、かかった人は再発しないように、経験のない方でも予防をしっかりとしておくことが大切です。

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