第51回 実践!自律神経を整える健康法 ~習慣と栄養補給~

春は生活環境の変化や気温の変化で自律神経が乱れがち。

新しい環境や仕事のプレッシャー、人間関係の悩みや不安、過労、怪我、騒音、さらには気温の変化など、日々私たちは気がつかないうちに、大きなストレスにさらされています。また、栄養バランスの乱れ、生活リズムの乱れ、体の歪みや運動不足などの生活習慣も、自律神経の乱れの原因となり、体の不調に繋がります。

そこで、今回は「自律神経を整える健康法」について特集します!

習慣から自律神経を整える

自律神経は、血圧や体温の調節、瞳孔や心臓の働き、食べ物の消化などの体の働きを維持している神経で、私たちの意識とは関係なく働いています。

自律神経には、大きく分けて2つあります。日中や活動時に働く「交感神経」と、夜間や休息時に働く「副交感神経」です。これら2つの神経が必要に応じて切り替わることでバランスが保たれ、体内の環境を整えてくれています。

  • 生体リズムを整える
    体内時計が刻むリズムを「生体リズム」といい、私たちの体調や活動をコントロールしています。毎日元気に過ごすためには、生体リズムに合わせて規則正しい生活をすることがとても大切です。
  • 朝起きたら太陽の光を浴びる
    太陽の光は、体内時計をリセットさせ、生体リズムを整えます。また、太陽の光を浴びることは「セロトニン(幸せホルモン)」の分泌と大きな関わりがあります。朝目覚めたら、まずはカーテンを開けて太陽の光を浴びる習慣をつけましょう!
  • 食事は時間を決めてしっかりと
    自律神経が乱れやすい人は、食事が不規則で生体リズムが乱れていることが多くあります。食事は生体リズムを整え、また、腸や脳が刺激され体温が上昇し、自律神経を整えます。

    ●食事のポイント

    1. 1日3食を決まった時間に食べ、腸を動かしましょう。
    2. 忙しい時こそ、「朝ごはん」をしっかり食べる時間をとり、心の余裕をつくりましょう。
    3. 噛み応えのある食材を取り入れ、よく噛んで脳を刺激しましょう。
    4. 甘いものや冷たいものは体温を下げてしまうので、食べ過ぎに注意しましょう。
    5. 家族や友人などと一緒に会話をしながら、食事を楽しみましょう。
    6. お酒は適量を楽しみましょう。
  • 呼吸を整える
    呼吸にも、自律神経と深い関わりがあります。不安、緊張、イライラ、嫉妬などの負の感情は、呼吸を浅くし自律神経を不安定にさせてしまいます。3~4秒で鼻から吸い、口からゆっくりと6~8秒かけて吐くゆっくりと深い呼吸をすることで副交感神経が働き、体にたっぷりの酸素を入れてあげると自律神経が安定し、落ち着きを取り戻すことができます。
  • ウォーキングや軽い運動で気分転換を
    ウォーキングや軽い運動は、自律神経を整える働きがあります。激しい運動は副交感神経のレベルを下げてしまうので、ウォーキングや呼吸が乱れない程度のジョギングがおすすめです。また、1日30分程度を目安に、できれば朝か午前中のうちに行うと一日を気分よくスタートすることができ、また夜も深い眠りにつながります。無理をせずに、心も体も“気持ち良い”と感じる範囲内で体を動かしましょう。
  • 姿勢を整える
    一般的にも言われていますが、姿勢が悪くなるとネガティブな思考になります。姿勢が悪いと体にゆがみを生じ、筋肉の緊張から自律神経を圧迫し、また、血液の流れを悪くします。逆に、姿勢を良くすると心が前向きになり、自律神経を整え体のバランスを正常に保つ働きをします。歩く時は、背筋をのばして肩の力を抜き、頭の中心がまっすぐ空に向かっているような意識で首をのばし、脚ではなくおへそから前にでている気持ちで歩きましょう。
  • 質のよい睡眠を
    睡眠は日中の活動で疲れた体を休め、健康を維持していくために不可欠なものです。リラックスをして副交感神経を優位にし、質の良い睡眠をしましょう。

    ●睡眠前のポイント

    1. お風呂は38~40℃くらいのぬるめのお湯に、ゆっくりとつかりましょう。
    2. 食べ物は寝る2時間前まで、カフェインの含む飲み物は4時間前までにしましょう。寝る前の飲み物は、セロトニンの材料となるトリプトファンが含まれる牛乳がおすすめ。人肌程度に温めたホットミルクで。
    3. 寝る前はあまり強い光を浴びないようにしましょう。スマートフォンなどの光やテレビ、大音量の刺激のある音楽なども控えましょう。
  • リラックスできる空間を作る
    机や部屋が汚れていると、気持ちまでだらしなくなってしまいますね。キレイに保たれた空間では、リラックスして過ごすことができます。季節感のある色や花を部屋に取り入れ、心地よい香りのルームフレグランスなども自律神経を整えます。
  • 心にはいつも余裕を
    毎日慌ただしくなると、ついため息が出たり、「忙しい」と口癖のように出たりしてしまいます。「忙しい」という字は「心」を「亡くす」と書きます。どんなに忙しい時も、一息ついて心の余裕を持てるよう心がけたいですね。たとえ忙しくても、「お先にどうぞ」という気持ちで人に席を譲り、約束時間は10分前に行くなど、心の余裕は自律神経の安定に繋がります。

ストレス緩和に関係する栄養素

神経伝達に関わる栄養素や、ストレスを感じた時に副腎皮質とともに失われやすい栄養素をまとめました。ストレスを感じやすい人は、次の栄養素を意識して摂取すると良いでしょう。

  • ビタミンB群(特にB1とB6)
    神経活動をコントロールしている脳は多くのエネルギーを必要とします。ビタミンB1は脳のエネルギー供給に役立つ栄養素です。ビタミンB6は主にたんぱく質の代謝に関わる補酵素として働き、神経伝達物質であるドーパミンやアドレナリンを合成する働きもあります。

    ビタミンB1が多く含まれる食品…玄米や精麦、豚肉、豆・大豆製品
    ビタミンB6が多く含まれる食品…鶏肉、レバー、鮪や鮭などの生魚
  • ビタミンC
    ストレスを感じた時に、特に失われやすい栄養素です。水溶性ビタミンなのでこまめに摂取すると良いでしょう。コラーゲンの合成に関与し、生活習慣病予防にも役立ちます。

    ビタミンCが多く含まれる食品…野菜、果物、芋
  • アミノ酸(特にトリプトファンとフェニルアラニン)
    アミノ酸のうち、トリプトファンは「セロトニン」と呼ばれる脳内の神経伝達物質になります。セロトニンは「幸せホルモン」と呼ばれるほど、精神面に大きく影響のある成分です。また、フェニルアラニンは、ドーパミンの材料になります。

    アミノ酸スコアが100の食品…大豆、魚、肉、卵、牛乳
  • カルシウム・マグネシウム
    カルシウムは骨や歯の主成分となる他、血液中にも存在し、神経伝達物質を放出させることにも役立ち、不足すると神経を興奮させイライラの原因になります。また、マグネシウムはカルシウムとかかわりが深く共に働きますので、合わせて摂取すると良いでしょう

    カルシウムが多く含まれる食品…乳製品、大豆製品、干しえび、小魚、モロヘイヤ、小松菜
    マグネシウムが多く含まれる食品…玄米、海藻類、大豆製品

以上、「自律神経を整える健康法」について解説しました。皆様が心も体もイキイキと健康に、素敵な春を過ごせますように☆

(管理栄養士 奥みゆ貴)

カテゴリー: 知っ得!納得!健康トリビア   タグ: , , ,   この投稿のパーマリンク