第29回 実践!代謝アップで健康美人~これだけは押さえたい3つの視点~

2010年10月更新

皆様こんにちは。爽やかな秋の日々が続いていますね。何をするにも過ごしやすいこの季節は、「スポーツの秋」「読書の秋」「食欲の秋」と様々な代名詞でたとえられます。皆様はどんな秋をお楽しみでしょうか?

さて、健康生活に目を向けてみますと、この季節の過ごし方はとっても大事なのです。季節の変わり目は体調を崩しやすく、じわりじわりと冬の足音が近づくにつれ気温が下がっていくと免疫力も衰えがちに。気をつけなければなりまヨガをしている女性の写真せんね。そこで、身体も動かしやすく、物事も考えやすい「秋」のうちに、健康習慣を心がけ、実践することで冬の元気が違うのです!具体的には風邪知らず、冷え性知らず、乾燥知らず、のあなたは楽しく元気いっぱいな“健康美人”であること間違いなし。そのためのキーワードは【代謝】です。健康トリビア第29回のテーマは【代謝UP】に決定です。是非じっくり読まれて「健康の秋」を実践してくださいね。

「代謝とはなにか」

私たちの健康にとっての【代謝】とは、次の2つです。
◆    身体の中で古いものと新しいものが入れ替わること(新陳代謝 )
◆    生きていくために最低限必要なエネルギーを作る活動のこと(基礎代謝 )

を差します。余談ですが英語で代謝のことをメタボリズムといい、よく知られる「メタボリックシンドローム」の本来の意味は、「代謝異常症候群」のこと。つまり、代謝異常が引き起こす内臓脂肪の蓄積によって様々な病気を引き起こすことなのです。このことからも代謝をスムーズにすることは、健康生活の基本だということがお分かりになると思います。
例えていうならば、「お風呂のパイプ」が詰まるように人間の身体が詰まってしまったら・・・考えただけでもぞっとしますよね。

「代謝とダイエットの関係」

【代謝】を正常に保つこと、つまり身体に新しいものを取り込んで老廃物を出したり、身体活動を一定に保つ等はとても大切なことです。わたしたちは何もせずじっとしていても、心臓を動かす、呼吸をする、消化活動をするといった生命活動を維持するために、一日に成人女性で約1,200、男性で約1,500キロカロリー(kcal)のエネルギーが必要です。このエネルギーは食事により補われますが、そのエネルギーが消費されずに体に残ってしまったのが体脂肪です。さらに重要なことは、基礎代謝量は1日の総消費エネルギー量の約60~70%も占めているということ。

つまり、基礎代謝がスムーズな身体であれば、寝ている間でさえも脂肪が燃焼されて、エネルギーを効果的に消費でき、痩せやすい身体であるということなのです。

⇒ あなたの基礎代謝量を知ろう(基礎代謝量・BMI指数が早分かり)

「代謝を高める3つの視点」

ここからが本題です。では一体、この代謝機能を高めスムーズにし身体の恒常性を維持するには一体何に気をつけたらよいのでしょうか?
そのための3つのポイントを順に解説していきたいと思います。

筋肉をつけよう-運動編-
ダンベルの写真実は、基礎代謝のエネルギー消費が最も多いのが筋肉です。そのため、同じ体重でも脂肪が少なく筋肉が多い人の方が基礎代謝量は高くなります。基礎代謝は10代の頃が最も高く、20代になると下がり始め、運動不足が目立ち始める30代になるとさらに低下してきます。ダイエットというと食事制限と考えがちですが、摂取カロリーを制限して体重は落ちても、同時に筋肉が落ちてしまった結果、基礎代謝が下がり、ダイエットを始める前よりも体脂肪がつきやすい体へと変化してしまうのです。これがよく言われるリバウンドの仕組みなのですね。
ですから、身体を動かさないと基礎代謝は低下する一方だといえます。幸い、スポーツの秋といわれるくらい、運動するには最適な季節です。短い時間で効率的に筋肉をつけるには、ダンベル体操や腹筋・腕立てとった筋力トレーニングが理想的ですが、難しい場合は軽いエクササイズやウォーキングなどで十分ですから、始めることが大切。折角の爽やかな気候ですから、ゆっくり時間をかけて身体を動かしてくださいね。
代謝に必要な栄養素を摂ろう-食事編-

栗ご飯の写真次に、大切な食事のお話です。「食欲の秋」はとにかくお腹が空いちゃって~・・・とお気持ちは良く分かります。代謝活動を支える栄養素を意識して、美味しい秋をご堪能くださいね。「管理栄養士のスマイルレシピ」で代謝を高めるレシピを紹介していますので、合わせてご覧下さい。

【たんぱく質】
筋肉の材料となるたんぱく質をしっかり補給しましょう。たんぱく質は肉や魚、卵、など主に動物性の食品に多く含まれます。ただし肉や魚などの高たんぱく食品は高脂質であることが多いため、摂りすぎには注意が必要です。食材を選ぶ時には脂肪が少ない部位を選ぶ、油を多く使う調理は控えるなど工夫をしましょう。高たんぱくで低脂肪の鶏ささみは、ダイエット中にはよく使われる食材ですね。

【ビタミンB2】
ビタミンB群は栄養素がエネルギーに変わるときに欠かせない、重要な栄養素です。
中でも、ビタミンB2はリボフラビンとも呼ばれ、「エネルギー代謝のビタミン」といわれています。栄養ドリンクの黄色い色の成分として、ご存知の方も多いのではないでしょうか。ビタミンB2はたんぱく質や脂質、糖質をエネルギーに変えるときに補酵素として働きます。特に、脂質の代謝には多くのビタミンB2を必要とするため、脂質の多い食事をしている人ほど、ビタミンB2は不足しがちです。ビタミンB2が不足すると、脂質がエネルギー源として利用されにくくなるので、十分に摂りたい栄養素です。

【マグネシウム】
ミネラルは身体の機能を調節するのに欠かせない微量栄養素ですが、体内で合成することができないため、食品から摂取することが必要です。中でも、マグネシウムは300種以上の酵素の補酵素として様々な生命活動に関わることがわかっています。エネルギー代謝で必要な多くの酵素でも、その大部分でマグネシウムが補酵素として働いています。 先にあげたビタミンB2も実はマグネシウムと助けあってはじめて活躍できるほど、ビタミンとミネラルは切っても切れない関係なのです。しかし、現代人のミネラル不足は深刻で、慢性的な不調のほとんどの原因がミネラル不足による身体の機能がうまく働いていない為、とも言われています。

代謝酵素を節約しよう-ファスティング(断食)編-
ベジタブルスムージーの写真さて、最後は逆に「食べないこと」で代謝を高めるという視点でお届けします。「ファスティング」とは、短期間の【断食】のことで、必要な栄養分を摂取しながら無理なく行い、
健康を増進することを目的としたプログラムです。ファスティングについて詳しくはこちらをご覧下さい。

では何故、「食べないこと」が代謝を高めることと関係があるのでしょうか?カギとなるのは【体内酵素】です。体内酵素には以下の2つの役割があります。

消化酵素・・・栄養素を吸収しやすいように食べたものを分解する
代謝酵素・・・必要なものをつくり出したり不要なものを排除したり、細胞を再生させたり修復したりする

どちらもビタミンやミネラルの力を借りて体内で合成され、機能しているのですが、現代人の食のあり方では、体内酵素の多くを消化酵素に割り当ててしまい、代謝酵素が充分に働いていないことが推測されます。つまり、「食べすぎ」であるために、いつも消化活動ばかりに酵素が充てられ、肝心の代謝のほうに十分に回ってこない訳です。

そこで、逆に食べることを休むとどうなるか・・・

もう、皆様お分かりですね?体内酵素を<代謝活動>に余分に回すことができますので、みるみるうちに体をリセットしてくれる、という訳なのです。ほとんどの方が、幼少時から大人になるまで、食べることを休んでいません。つまり、ずっと内臓は休むことなく働き続けています。これでは、さすがに体の中が疲弊してしまうと思いませんか?一度内臓(特に、胃、腸、肝臓、すい臓)をゆっくり休息させ、オーバーホールする唯一の方法がファスティングなのです。もし、今すぐにでも代謝機能を正常にしたい、とお考えなら食べることを一度休んでみることをお勧めいたします。

※一般的なファスティングのプログラムは3日間ですが、1日でも十分効果があります。その際、水だけの断食はやめ、ビタミンミネラルなどの栄養素や糖分を補える野菜ジュースなどで行うようにしましょう。

さて、いかがですか?代謝アップの具体的方法が良くお分かりいただけたのではないでしょうか?ここに挙げた3つのポイントの他には、半身浴などで身体を温めること、質の良い睡眠をとること、なども大切ですので、合わせてお試しくださいね。

繰り返しますが、代謝機能が十分に働かないと要らないものがどんどん蓄積し、余分な肉や脂肪となって、あるいは身体の不調や病気となって現れてしまいます。また、免疫力に代表される人間が本来もっている自然治癒力も代謝機能が正常であることが大前提です。

今回の内容を是非実践されて、不調知らずの素敵な冬をお迎えくださいね。

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