知っておきたい「鉄」の基礎知識
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食べ物からだけでは充分な鉄を取れない現代!
20世紀後半からはじまった化学肥料の大量使用で、農地は鉄分などのミネラルを大幅に失い、農作物のミネラルは昔に比べて激減しています。さらに、加工や調理の過程でただでさえ少なくなった鉄分はさらに失われてしまいます。また、食品がもつ鉄が体に吸収される率は意外なほど低く、肉類の鉄分では約20%、穀物・野菜では5~10%ほどです。今や食べ物だけで充分な鉄を摂るのは非常に難しくなりました。
ベジタリアンはさらにご注意を!
菜食や玄米食は、水に溶けない食物繊維を多く摂るので、鉄分の一部はその食物繊維と結合して排出されてしまいます。また多くの植物に含まれるフィチン酸は、鉄分などの金属ミネラルと結合して吸収されにくくなるので、菜食主義の人は鉄分不足になりやすいのです。
鉄分不足が老化を招く!
鉄分不足はコラーゲン合成を低下させるので、肌がカサつき、シワの原因に。また、体内の鉄たんぱく質が不足すると、エネルギーレベルが下がり、活性酸素が増えて、老化を加速させます。いつまでも若々しく元気でいるために、鉄分は欠かせないミネラルですね。
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鉄分には肉類に含まれる「ヘム鉄」と植物由来の「ノン・ヘム鉄」に分かれます。
ヘム鉄は消化する必要がなく、血中にダイレクトへ入るため過剰に摂取すると、体内で酸化したり、不調を招く原因になりかねません。
その点、ノン・ヘム鉄なら、体に鉄分が足りている場合は吸収を抑えるので、過剰摂取の心配もなく胃にやさしいので安心です。 |
血中フェリチン濃度(鉄分貯蔵量)は少なくとも25μg/ℓ(200μgを超えない程度)あるべきだと考えます。私の臨床経験から、特に妊娠中に限らず女性と子供は、日頃からサプリメントなどで補充しないと、適切な鉄分量を摂ることが難しいのです。 |
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