体脂肪を溜めないための食事のポイント

計測をするシニアの写真体脂肪の蓄積は、単に見た目だけの問題ではありません。特に、内臓脂肪の蓄積は「メタボリックシンドローム」の一因となり、糖尿病や動脈硬化など、生活習慣病のリスクが高くなります。
体脂肪減少のためには、やはり、適度な運動と正しい食事の継続が重要です。
いったんついてしまうとなかなか落としにくい体脂肪ですが、食生活を改善することで確実に減少していきます。まずは以下にまとめた基本となるポイントを意識して、毎日の食事を見直してみましょう。

1.1日3食摂る
朝は時間がない、食欲がない、などで朝食を抜く方も多いですが、一日で同じカロリーを摂取する場合、まとめて食べるよりも数回に分けた方が体脂肪になりにくいといわれています。
これは食事と食事の時間があいてしまうと、飢餓状態に備えるために防御本能が働き、体脂肪の蓄積が促進されてしまうためです。また、空腹感から、早食いやドカ食いをしやすく、食べ過ぎてしまうことも原因のひとつです。

2.食事は寝る前の3時間前までに
日中は交感神経が活発になるため、摂取したエネルギーは代謝されやすいのですが、夜は副交感神経の働きによってエネルギーが吸収されやすくなります。そのため、寝る前に摂った食事はほとんど消費されずに、体脂肪となって蓄えられてしまいます
また、就寝前の食事は消化不良や胃もたれになるだけではなく、胃腸に血流が集中してしまうことで、安眠の妨げにもなります。朝起きられなかったり、食欲がなくて朝食を抜いたりして、再び夜に食べ過ぎてしまうといった悪循環を招く可能性も大きくなります。
どうしても夜が遅くなってしまう場合には、低エネルギーで消化しやすいものを摂るようにしましょう。

3.食事時間は20分以上かける
胃が食べ物でいっぱいになったからといって、脳がすぐに満腹だと感じるわけではありません。血糖値が上がり、脳の満腹中枢におなかがいっぱいになったというサインが届くまでに20分はかかるといわれています。早食いをしてしまうと、満腹感が得られないまま必要以上に食べ過ぎてしまいます。ゆっくりと良く噛んで20分以上は時間をかけて食べましょう。

4.カロリーの摂り過ぎに注意して、主食、主菜、副菜をバランスよく摂る
まずは、自分の適性カロリーの目安を知っておきましょう。日本人の食事摂取基準を参考にして、自分に合ったエネルギーの目安量をみつけて下さい。
⇒日本人の食事摂取基準

摂取エネルギーに注意するだけではなく、たんぱく質やビタミン・ミネラルなどの栄養バランスも重要です。主食、主菜、副菜がそろった食事を心がけましょう。

5.食材選び、調理法を工夫する
食材を選ぶ際には、肉は脂肪の少ない赤身の部位を選び、鶏肉の皮は除きます。魚はカレイやカジキなどの白身魚、いか、たこ、貝類などもおすすめです。また、ゆでる、煮る、蒸す、焼くなど油を使わない調理法でも、食材の油を落としてエネルギーを抑えることができます。

6.低カロリー食品を利用する
摂取エネルギーを減らすために、単に食事量を減らしてしまうと、物足りなくなってしまいます。野菜や海藻、きのこ、こんにゃくなどの低エネルギーで、食物繊維が豊富、噛みごたえのある食材を上手に利用しましょう。満腹感だけではなく、食物繊維にはコレステロールの吸収を抑え、排泄を促す働きがあります。
食事の量を減らそうとするよりも、野菜をたくさん食べようと意識する方が実践しやすく、結果、総エネルギーも抑えられて長続きしやすいものです。野菜は1日350g以上が目標とされています。ごはんや主菜の量を見直し、低カロリー食品のおかずを1品増やしてみてはいかがでしょうか。ただし、食材がいくら低カロリーでも調理法やマヨネーズ、ドレッシングなどによっては高カロリーになってしまいますので注意して下さいね。

(管理栄養士 柴田)

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