第25回 ホルモンバランスを考える~草食系!?肉食系!? 現代人のホルモン事情を暴け!~

2010年2月更新分

今年最初のテーマは「ホルモンバランスを考える」。何故なら先日、何気なくTVをつけたら画面いっぱいに踊る<ホ・ル・モ・ン・ヌ>の文字。(焼肉好きのセレブ? 肉食女子が進化したか?・・・ブツブツ)ところで、「ホルモンヌ」最近よく耳にしませんか?一瞬、パリジェンヌのような気品を漂わせつつも、肉々しい印象だけが残ります。使い方も自由で「ホルモン(鍋や焼肉)好きの女性」「ホルモンバランスを良くして女性らしい女性(ホルモンヌ)に!」といった風に様々。今年の流行語になるかもしれませんね。冗談はさておき「草食男子」「肉食女子」などの言葉も流行っていますが、男前な彼女、女々しい彼、ホルモンバランスは大丈夫でしょうか?!

【ホルモン分泌の異常で起こるオス化…原因は何?】しかめっ面の女性の写真

なんと20~30歳代の働く女性の6割がオス化を実感しているそうです。具体的には・自宅で一人酒を楽しむ・デートより仕事を優先する・ラーメン屋や居酒屋でも一人でいくといったものです。
さらに働く女性の15%、20~30歳代では10人に1人にあごヒゲが生え出したとか!一体、彼女たちの身に何が起こっているのでしょうか?本題に入る前に「男性ホルモン」「女性ホルモン」のそれぞれの働きについて簡単に理解しておきましょう。

【男性ホルモンと女性ホルモンのバランスとはたらき】
健康な男性が一日に作る男性ホルモン量は約7mg、女性ホルモン量はティースプーン半分(約2.5mg)といわれています。反対に女性が一日に作る男性ホルモン量は一日約0.7mg程度、女性ホルモンはティースプーン1杯(約5mg)、となります。それぞれのホルモン量の違いを確認してください。さて、次に働きについて見ていきましょう。

男性ホルモン(テストステロン)の働き
・筋肉質の体。丈夫な骨格をつくる会議の写真
・闘争意欲を掻き立て、勝ち負けにこだわる
(出世街道を進む人ほど分泌が多い)
・理性を吹き飛ばし、暴力的にさせます
(怒りっぽい、イライラなども含む)
・干渉されたくない、一人になりたいなど

女性ホルモン(エストロゲン、プロゲステロン)の働き笑顔のOLの写真
・女性特有の丸みある体型をつくる
・皮膚の水分量を増やし弾力性のある皮膚に保つ
・カルシウムを骨に沈着させ丈夫な骨をつくる
(閉経後に骨粗鬆症になりやすい)
・血液中のコレステロール値を下げる
(血管の弾力を保つ。脂質代謝をよくする)
・記憶力を向上させる (女性の方が記憶力が良いといわれます)

このように、ホルモンはわずかな量にも関わらず私たちの体型はもちろん、精神状態や病気に至るまで大きな影響を及ぼすのですね。

[豆知識]女性ホルモンを代表するエストロゲンは抗酸化作用を持っていて、活性酸素の発生を抑制します。例えば、男性のほうが体臭が強く感じられる、動脈硬化に罹りやすいなどといったことはホルモンが関係していると言えるでしょう。

【ストレス過多の生活をおくると?】

現代社会では多くの女性が活躍するようになりました。当然ですが、活躍に比例するように環境や人間関係から発生するストレスは増加します。このように日常的にストレスを感じると、ストレスに備えるために副腎皮質ホルモンを分泌するようになります。しかし副腎皮質ホルモンは女性ホルモン分泌を抑えてしまうので、結果的に男性ホルモンが多くなってしまうのですね。

【反対にオスはメス化しはじめている?!】

ニュースでオスの貝がメス化してるというのを見ました。中にはオスでもメスでもないといった新しい品種?ニューハーフの登場に唖然。最も大きな原因とされているのは、環境ホルモンによる汚染だとされています。環境ホルモンにはダイオキシン、ノニルフェノール、フタル酸エステルなどがあります。これらがオスの体内で女性ホルモン(エストロゲン)のような働きをすることが分かっており、メス化の原因の一つとされています。
このように男性の中の女性ホルモンの働きが活発になり、女性の中の女性ホルモンの働きが抑制されてしまうことが「メス化」「オス化」の大きな原因の一つであることは否めません。このように見ていくと、ホルモンバランスを整える鍵は女性ホルモンにあるのではないでしょうか?そこで女性ホルモンのコントロール法です。

【女性ホルモンコントロール】生活習慣編大豆の写真
・趣味に没頭するなど、興味や趣味を持つ
・恋人、赤ちゃん、動物などと触れ合う時間を持つ
・感動する、嬉しいことなどで良い涙を流す
・ストレスを解消する方法を見つける
・規則正しい生活を心がける

【女性ホルモンコントロールの鍵】~栄養編
女性ホルモンと似た働きをする「植物エストロゲン」を含む食べ物の摂取で調整する。
代表的な成分:ビタミンE、大豆イソフラボン、リグナン繊維、レソルシル酸ラクトン類など
代表的な食品:大豆、納豆、豆腐など大豆製品。亜麻仁製品、ごま、小麦、えんどう豆など

以上、今回は「ホルモンバランスを整える」という観点から健康について考えてみました。このままメス化、オス化が進んでしまうと男女共に妊娠しにくい体になるなど少子化は加速してしまいます。どうぞご参考にしていただき、2010年もすこやかにお過ごしくださいませ。

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